はぐれDJ道

2017年08月08日

第36回「DJ GEN インタビュー」

イッツ・パーティ・タイム。 DJ イオだ。現在、ハードコアと言えば UK ハードコア(UK Hardcore)が主流である。(他ジャンルも複数あるがここでは割愛する)その UK ハードコアの前身ともなった音楽がある。
それがハッピーハードコア(Happy Hardcore)だ。1990年代後半に流行ったこのジャンルは、当時流行っていた GABBA などと共に一世を風靡し、その魅力に取りつかれた人々も少なくはなかった。
その中の一人が DJ GEN だ。仙台在住の彼は 1990年代のハッピーハードコアを中心にプレイ、またその普及にも努めている。
リアルタイムで通った世代では無い彼が何故ハピコア(ハッピーハードコアの略称)にそこまで熱意を傾けるのか、今回訊ねてみた。


DJ GEN
宮城県仙台市を拠点として活動する DJ。
2004年頃からバトル DJ としてキャリアをスタートし、2009年より仙台市内クラブパーティでレジデント DJ を勤める。
クルー解散後、2011年より新たなクルーと共に仙台クラブシーンへのハードコア普及をモットーとしたパーティ「Assault Star」を開始。
2013年に仙台随一ダブステップ・トラップ・ヒップホップパーティ「CRUNCH CLUB」クルーに加入。
2014年に伝統的な UK RAVE MUSIC に特化したパーティ「Obsession」を開始。
同年4月より自身の独立したインディペンデント・レコードレーベル「hi-lite Records」を創立。
UK ハードコア、ハッピーハードコア、ガバなどのレーベルとしてスタートしたが、現在ではダブステップ、トラップ、ジャージークラブ、ムーンバートンなど多岐にわたり、所属アーティストも多様な顔ぶれとなっている。





バトル DJ からスタートしたキャリア

DJ イオ(以下、イオ): iFLYER のプロフィールによると、ゲンさんは、最初バトル DJ だったという事で、ハッピーハードコアとは関係ない DJ をしていたのでしょうか?

DJ GEN(以下、ゲン): まったく関係ない DJ でした!中学生の頃に NHK のトップランナーって番組で DJ KENTARO がプレイしてるのを見て、機材買えばできるだろと思ってバトル DJ から始めましたね。

イオ : それじゃ、KENTARO さんが DMC で優勝した辺りが入口だったんですね。KENTARO さんも Hip Hop からハウス、様々なジャンルで DJ していたと思うんですが、当時はどんな曲を聴いていらしたんでしょうか?

ゲン : 当時だと日本のアンダーグラウンドな Hip Hop をよく聴いてましたね。ラッパ我リヤとか MSC とか。ハードコアなやつが好きだったので。

イオ : ジャパニーズ Hip Hop が多かったんですね。そのクルーが解散後、「2011年にハードコア普及をモットーとしたパーティ『Assault Star』を開始。」とありますが、ここでのハードコアというのは既にハッピーハードコアの意味合いがあったのでしょうか?それとも Hip Hop の方だったのでしょうか?




ハッピーハードコアへの入り口

ゲン : その頃はすでにハッピーハードコアにやられてたのでハッピーハードコアの意味です!宇都宮の Happiness に行ってからものすごく影響を受けてしまって、そこから仙台でもああいうことやりたい!と思って Lulickma(りらっくま)と一緒に始めたパーティーが Assault Star です。

イオ : 「Happiness」が入口だったんですね。ではりやはり、 DJ Shimamura 君などに影響を受けた感じだったんでしょうか。

ゲン : DJ Shimamura さんはもちろん!スーパーヒーローです!でも一番最初は、仙台のクラブで HOSHI-T さんっていう DJ のプレイを聴いて圧倒されてしまって。そこから仙台でハードコアのパーティー探しても一つもねーじゃん、って感じで宇都宮 Happiness に遊びに行ってた感じです。

イオ : 最初は HOSHI-T さんだったとは!仙台ってパーティ昔ハードコアも盛んで、急行さんなどと呼んで頂いた記憶があったんですがその頃は丁度なかったんですね。2011年頃からハッピーハードコアの音源を探すのは結構大変だったと思うんですが、どうやって探していったのでしょうか?

ゲン :  HOSHI-T さんのプレイみたのもけっこう最近ですよ!NU-STYLE とかどこ中(過去存在したオーガナイズチーム)とか、先輩からよく聴いてますけど当時は僕は小中学生ぐらいですから笑 音源となると、引退した人から譲り受けたレコードがほとんどなんです!海外から輸入してるものもあるんですが、今プレイしてるレコードの半分ぐらいは先輩とか友人から頂いたレコードになりますね。

イオ : そうだったとは!昔はどこ中などのイメージがあったけど、本当に 20年前ぐらい前ですしね・・・。初めてゲンさんの DJ を聴いた時、この若さなのにどうやってこのレコードを集めたんだろうと思っていました。自分が知らないだけですごいキャリアが長い方なのかなー等(笑

ゲン : 全然ペーペーです笑 よく言われるんですけどね!歴は浅いと思いますよ!




何故ハッピーハードコアなのか

イオ : そうなんですね。あとお聞きしたかったのが、今って UK ハードコアがメインストリームじゃないですか。そこに行かずにあえて昔のハピコアをかけ続ける理由を教えて頂きたいと思います。

ゲン : それがわかったらハッピーハードコアの DJ やってませんよ!!!!なんか、心の底から踊れる感じがしませんか?体が勝手に!みたいな。優しいんだけどパワフルだし、全力で笑い転げることもできるし全力で泣かせることもできる、みたいな。ハッピーハードコアがプレイされてる場所の雰囲気がすごく好きなんですよね。星さんのプレイを初めて見たときも、フロアの全員ニヤニヤしながら踊ってて、なんだこの空間は!って。そこに惹かれた部分は大きいんですけど、部屋で聴くのも好きなので、まだ具体的にはわかってないんですよね。だから今のところは「最高」って言ってます。

イオ : なるほど・・・。無意識にも何か 90年代のハッピーハードコアに惹かれる部分がゲンさんにあったんですね・・・。確かにあの頃はフロア全員両手を上げたり、合唱したり、ニコニコしていてとてもハッピーなバイブスに溢れていた感じがします。しますっていうか、ありました。

ゲン : それそれ!体験するとよくわかりますよね!

イオ : その通りですね。2014年には自身のインディペンデント・レコードレーベル「hi-lite Records」を始めたわけですが、そこから仙台のシーンで変化はありましたでしょうか。

ゲン : レーベルの発足自体は DJ Shimamura さんに「曲あるけど(音が流行にそぐわないので)リリースする所ないんですよね」って相談したときに「自分でレーベルやればいいじゃん」って言われてから勢いで立ち上げたんです。そしたらたまたま周りに逸材の DJ や MC がたくさんいたので、取られる前に囲っておこうと思って声かけてった感じですね笑 仙台のシーンはここ 3年ぐらいでかなり変わったと思うんですが、個人的に革新派がより差別的に成長しているように思います。レーベルが影響はわずかだと思うんですけど、ベースミュージックと呼ばれていた音楽がプレイされる場所で Gqom だったり RAW HOUSE だったり、マイナーな音楽を耳にする機会もかなり増えました。地方は東京の流行が 3年遅れるなんて言われてたんですが、今だとラグを感じないどころか東京とは行先が違う感覚もありますね。

イオ : 自分で勢いで立ち上げた!って感じだったんですね。DJ Shimamura 君の口添えで。Gqom、RAW HOUSE などは東京でも専門にかけている DJ は数少ないと思いますよ。ネットがあっても発信される場所は東京がどうしても多かったりだと思うんですが、是非気にせず仙台オリジナリティの音源の発信をして行って欲しいと思います。hi-lite Records ではネットラジオも頻繁に行って、ゲンさん自体もハッピーハードコアビギナーのためのページを積極的に作ったりしていて、とてもアグレッシブな印象があります。

ゲン : そうですねー、かなり意識して運営してます!例えば 1990〜1993年と 1994〜1996年と 1997〜1999年のハッピーハードコアの音がかなり違くてそれぞれ良い所があるとか、その後にエナジーとかフリーフォームが来たとか、自分たちではよくわかっていて常識だろって思うことも、みんな最初は何も知らなかったので。いまそういう人たちにも知ってほしいな、面白いなってことを伝える場所ということを頭に入れて動いてます!

イオ : そこらへんの昔の事まで意識して行動してる人って少ない気もするので、とてもいいことだと思います。今をひたすら追いかけるのもいいですが、昔からの進化があっての今の音だと思うので。hi-lite Record ではゲンさんも含め、様々な方がトラックを作っているわけですが、お薦めのトラックメイカーの方などいらっしゃいますか?

ゲン : レーベル内に 9BALL(ナインボール)って奴がいて、彼はヤバいですね。テクノがメインでハードコアもやってるんですが、僕の周りだと一番の天才肌でありながら努力家ですごい量の曲を作ってます。電話かけると電話出た瞬間いつでも爆音鳴ってるので寝てるとき以外はずっと曲作ってるんじゃないかなと・・・。普段は海外レーベルにデモ送ってたり、それで僕も音源貰ったりするんですが、ネット上の活動はとても少ないので音源聴ける場所作れって言っておきます笑

イオ : ネットには上がってないんですね・・・。是非聴いてみたいです!




DJ GEN さんや 9BALL さんの音源は SoundCloud にたくさん上がっているので聞いてみて下さい。
DJ GEN
9BALL




イオ : レーベルの説明だと「ダブステップ、トラップ、ジャージークラブ、ムーンバートン」等も作っていると書いてあるんですが、かなり幅広く作られていますね。

ゲン : 実際トラック作ってる奴は少ないんですよね。プレイしてるジャンルとして、その辺が多いかなーという。自分が 9BALL と組んでるユニットの「北山トンネルズ」でトラックメイクするときはその辺の音が多いっす!

イオ : なるほど。サンクラだと



この曲などですね。現在、ゲンさんの使用しているシーケンサーは FL STUDIO でしたっけ?


ゲン : そうですね! FL STUDIO をずっと使ってます!特に思い入れはないんですが、特に問題がないので高校のときからずっと FL STUDIO です。

イオ : 何か理由があってチョイスしたのかと思っていました!最近はシンセもかなり充実して使いやすいシーケンサーになってますよね。




DJ GEN お薦めの5曲。

イオ : それでは、かなり難しい質問になるかと思うのですが、ゲンさんの人生の中でこれはお薦め!というハッピーハードコアの曲を 5曲挙げて頂けたら嬉しく思います!5曲に収まらなかったらもっと増やしても大丈夫です!

ゲン : めっちゃ難しいやつだ!!!とりえず、自分が何回も何回もプレイしてる曲から 6つ選んでみました!何回聴いても良いんです!



DJ Vinylgroover - My Guardian Angel - YouTube



STEALTH / Love, Life & Happiness (Brisk's Mix) - YouTube



Visa - Fly Away - YouTube



DJ Stompy - Come Follow Me - YouTube



DJ Brisk And DJ Trixxy - Eye Opener - YouTube



Scott Brown - Elysium - YouTube


イオ : DJ Vinylgroover - My Guardian Angel、STEALTH / Love, Life & Happiness (Brisk's Mix)、は自分と被りました!名曲揃いですね!それではそろそろ最後なんですが、ゲンさん自身の目標、「hi-lite Records」自体の目標などを語って頂けたらと思います。

ゲン : 今の僕自身はとにかく行動して、 DJ だったりトラックメイクで結果を出して自分の価値を上げたいと思ってます。それをすることによって最終的な自分の目標である「仙台におけるクラブシーンの現場を保ち続ける」ことに繋がると思うので。自分がハードコアにハマった時期は仙台に一つもパーティーがなくてとても辛い思いをしたこともあり、違うジャンルでもそういう思いをする人がいなくなるように、面白いパーティーを途切れることのないように続けて、それをできる若手にノウハウを教えて引退したいですね!レコード引きずってると重いので手ぶらでクラブ行って楽しかったら本当に最高だと思います!
レーベルもそんな思いで仲間を集めた所もあるので、集団でクラブカルチャーの入り口を広めたり、安心して楽しめる面白い場所を永遠に続けるのが目標ですかね。


イオ : 確かにカルチャーへの入り口ってのは重要ですね。自分の現場を保ち続ける事も然り。自分も茨城に住んでいながらあまり貢献できていないのであまり大それた事は言えないのですが・・・。若手を育てるという事も大事だと思います。今日はありがとうございました!




ジブリ

イオ : 本当の最後の最後に、このインタビューでいつもやっているのですが、ジブリの好きな作品とシーンを教えて頂けませんでしょうか?

ゲン : なんですかそれは・・・。紅の豚の殴り合いするシーンですかね。意地の張り合いが好きです。

イオ : なんでか分からないけど、いつの間にか人にインタビューする際の恒例になってしまいました。紅の豚の一番最後のいいシーンですね。ありがとうございます!




如何だったであろうか、仙台のシーン全体まで考えて行動している DJ GEN。ハッピーハードコアは最高.com というサイトまで立ち上げ、あまり音源を知らない人の為にも優しく解説している。
是非このサイトもご覧になってみて欲しい。余談だがインタビュー後このような会話があった。




ゲン : そういえば全然関係ないんですがイオさんのレーベルがロゴサンプリングしてサッポロビールに怒られた話がめっちゃ好きで、ハイライトレコーズを立ち上げる際に後押しされました笑
モロパクリだけど大丈夫だろ!って感じで!


イオ : うわぁ 一番マネしちゃいけないとこですよ!笑

ゲン : 結果的に M3 の運営から怒られたのでロゴ変えるハメになりました!

イオ : わ、やっぱり!




皆さんもレーベルを立ち上げる時にロゴを丸パクリはしないようにしないでいただきたい。ビート・ゴーズ・オン。



posted by DJイオ at 11:00| Comment(0) | 第26回〜第50回
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