私は一時期 Jackin House というリズムがハネていてファンキーなジャンルにハマっており、今や Beatport(音源の販売サイト)にも項目が出来るほどポピュラーなものになってしまったが、2012年当時は殆ど情報が無かった。
友人にハウス専門の販売サイトを教えてもらい、そこで購入していたりしたのだが、Twitter で検索すると、Musicarus(ムジカルス)氏の名前が引っかかった。そこから曲も作り、DJもされているとの事で、氏の音源を M3(音楽即売会)で販売されていたので購入していたりした。(ブースに行った時はタイミングが悪く離席中だった)
その後もニアミスが続き、M3 や MOGRA などでもプレイしているので、てっきり東京の方だと昨年まで勘違いしていた。
氏の Twitter での発言は音楽に対して真摯な事も多く、かなり参考にさせて頂いた。
2022年9月17日、LBT 20周年イベントで DJ でお呼びしたのだが大変悔しい事に、台風の影響で東京に来るのが難しく、中止になってしまった。
だが今度発売される私のアルバム「Sampling Roads」ではリミキサーとして参加して頂き、更に 2023年1月14日、大阪で行われる「Drinkers High! 20 -WEST-」にて出演リベンジしてもらえる事になった。
そして今回、氏の音楽遍歴、曲作りなどについて色々聞いてみたいという事でインタビューを行った。


幼少期に聴いて育った音達
DJイオ(以下、イオ): よろしくお願いします。まず、Musicarus という名前の由来について教えて頂ければ幸いです。
Musicarus(以下、Musi): 玩具屋のトイザラス(Toys'r'us)を文字って Music'r'us から読めそうなレベルに落とし込んで Musicarus です。文法的なおかしさもありますが直感で決めました。「音楽はみんなのもの」って当たり前だけどそれが当たり前であり続けてほしいという気持ちからも今の名義にして良かったなと思います。
イオ: 差し支えなかったら年齢を教えて頂ければと思います。
Musi: 今 34歳です。
イオ: なるほど、経験と知識も増えて来て一番脂が載ってる年頃かもですね・・・!そしてもし覚えていたら、一番最初に買った CD を教えて頂ければと!
Musi: 両親に買ってもらったのは「Michael Jackson」の「Thriller」、自分で買ったのは「THE END OF EVANGELION」のシングルです。
イオ: THE END OF EVANGELION というと、旧劇というか、「まごころを、君に」の頃ですね!
Musi: そうですね、当時 11歳でしたが「Thanatos」がめちゃくちゃ好きだったので。
イオ: ご両親は結構音楽を聴く方々だったのでしょうか?
Musi: はい、自分の生まれる前ですが 20年ほどブラジルに住んでいていたのですがその時に収集していて日本に戻ってくる時にレコードも持ち帰ってきていたので幼少期はよくブラジル音楽を父と聴いていました
イオ: おお・・・、ブラジルだともうサンバしか思いつきません!陽気な感じというか・・・。
Musi: ジョルジ・ベンやアントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ドナートやデオダートなどですね
イオ: なるほど・・・。知らない人達だ・・・。「Jorge ben / Taj Mahal」、はハウスの元ネタにもなってますね・・・。ディスコっぽい・・・。
Musi: 現代でいう AOR やレアグルーヴに近いものが多かったと思います。あとはセルジオメンデスですね。
イオ: セルジオメンデスはかろうじて知ってます・・・!詳しくはないですが。
Musi: 幼稚園で Mas Que Nada を歌う変な少年だったと思います。
イオ: 幼稚園の頃、童謡など聴いてた記憶しかありません・・・!
中学、高校の頃聴いていた音達
イオ: 中学、高校と、どのような音楽遍歴だったのかも、教えて頂きたいです・・・!
Musi: 小学校の頃に友達を経由して J-POP やらを聴くようになりましたが中学の頃になると父を経由してジャズやファンク、姉を経由してテクノやハウスを聴くようになりました。
イオ: なるほど、お姉さんはテクノハウス好きだったのですね。どういうアーティストを聴いていましたでしょうか・・・?
Musi: 10歳の誕生日に姉からプレゼントされたのは「Boom Boom Satellites(以下BBS)」の「JOYRIDE」でした。具体的にどれと言われるとパッと浮かびませんが MTV で流れる PV で好きなものを撮り溜めしていてそれを一緒に見ていました。
イオ: これですね。BBS はうまく打ち込みとロックを融合していたアーティストだと思います。
Musi: ただ Joyride はもらった当時正直ピンと来なかったんですよ。
イオ: 後で聴き直して、恰好いい、となった感じですか?
Musi: そうですね、松本大洋のピンポンという漫画が実写映画化されてその中で BBS の「Scatterin' Monkey」を聴いてめちゃくちゃかっこいい!ってなってから聴き直してこんなにすごいの!?と時間差でハマってしまった感じですね。「Chemical Brothers」や「Fatboy Slim」を経由してビッグビートやブレイクビーツにハマりにハマっていたタイミングだったのでその良さと凄さに度肝を抜かれたという。
イオ: なるほど、確かに近い路線ではありますよね・・・!自分も「Plastikman / Spastik」とか後で良さがわかる、そんな感じでした。ビッグビートブーム、何年だろう・・・、1997年、か 1998年ごろに流行りましたね・・・!
Musi: 「Spastik」いいですよね、パーカッシブだけど機械的な要素は外さないところとか。
イオ: そうですね、昔はこんなの退屈だなぁって思ってたけど、今聴くと違いますね。
Musi: ビッグビートの入り口としては少し変かもしれませんが当時踊る大捜査線めちゃくちゃ流行ってて、そのサントラがめちゃくちゃクオリティ高くてそこから知ったものも多いですね。
イオ: なるほど、そっちのサントラは全然知りませんでした・・・!
Musi: 本当に凝ってるんですよ、サントラといいつつ一枚のアルバムとしての完成度がとても高いんです。
イオ: これですかね、確かにめっちゃブレイクビーツだ・・・。
Musi: 「Junkie XL」を知ったのも踊る大捜査線のリミックスアルバムからでした。
イオ: 「Junkie XL」もファンキーな感じでいいですよね。
Musi: 高校時代は本当に音楽音楽音楽って感じで毎週末タワレコに行っては試聴コーナーでどれを買うか悩んでいました。高校時代が一番雑多に音楽を聴いて吸収していたと思います。
イオ: 自分は色々近くのレンタル屋で主に育ちました・・・。自分でアナログなどは買っていたのでしょうか・・・?多感な時期だから、はまると色々聴いてしまいますよね・・・!
Musi: 地元が熊本でレコード屋はあったのですがやはり小ぶりなお店が多かったのでインターネットで通販することが割合多かったです。
イオ: そうですね、地方だとなかなか難しい・・・。TECHNIQUE や CISCO の通販などでしょうか?
Musi: 「AFTERHOURZ」さんや「TECHNIQUE」さんはバイト代が入るたびに利用してました。
イオ: おお・・・!当時はまだレコードも安くて良かったですね・・・。
Musi: 安いとはいえ 1,000円前後、高校生には予算内でいかに自分の好きなものを揃えるかという闘いが続いてました。それが選曲にもつながってるのかもしれません。
初めてのクラブ、DJデビュー。
イオ: ちなみに、初めてのクラブデビュー(お客として)は、いつ頃だったのでしょうか?
Musi: クラブデビューは中学くらいの頃です、姉の紹介で初めて遊びに行きました。
イオ: 早い・・・。
Musi: 本当に顔パスや知人親戚パスが当たり前にまかり通ってた時代でしたからね。
イオ: ちなみに DJ はどんな方が出ていたのでしょうか?
Musi: 地元の DJさんですね、かなり硬派なテクノを回されていたのを覚えています。
イオ: 当時だと「テクノ専門学校」なども出ていた頃でしょうか・・・。ミニマルが凄く流行っていたのを覚えてます・・・。
Musi: 大音量で肌で感じるダンスミュージックの低音は部屋で聴くそれとは全然違う顔を見せるのでとにかく楽しくて汗だくで跳ねていた思い出があります。
イオ: そうですね、踊る楽しさがわかるというか、自分もお金なかったので水だけで一晩踊って過ごしてました・・・。
Musi: 「Q'hey」さんの DVD とか見てましたね。でも DVD として一番教科書にしたのは「Jeff Mills」の「Exhibitionist」でした。
イオ: おお、硬派・・・!ジェフミルズ、ウィザード名義でやってくれたら今でも見たいなぁ・・・。
Musi: 今は今で 909 を魔法の様に使うので凄いなって感じますね。
イオ: そうですね・・・。衰えないのは凄いです・・・。
Musi: 周りに DJ を教わるわけでもなくターンテーブルと安物ミキサーを買い揃えて見よう見まねで練習しました。必死にクイックなミックスの練習を繰り返していましたがハウスのイベントに遊びに行くようになってから「あ、あんなクイックにつなぐのが当たり前ではないんだな・・・」ってちょっと参考にするもの間違えたなってそのタイミングで気がつきました。(笑)
イオ: 自分も本当に同じ感じです。DJ としてデビューした時はいつ頃でしょうか?
Musi: DJ デビューはクラブデビューしてから 1年も経ってないくらいです、父親の知り合いのバーで機材持ち込んでやらせてもらったところからスタートですね。そこから練習しながらチマチマと続けていましたが本格的に動き始めたのは結局大学に入ってからです。
イオ: なるほど、大学によっては打ち込みやテクノ研などもサークルもありましたしね・・・。
Musi: 大学に入ったばかりの頃に 2ちゃんねるの Club VIP っていうスレッドで DJ 配信してて自分もやってみよう!って参加してました。そこから Ustream での DJ 配信ブームがやってきてそこから劇的に DJ の環境が変わりましたね。
イオ: そうですね、今は落ち着いてますが、配信で知名度が増えた DJさんも多いですよね、okadada君など・・・。
Musi: 当時 Ustream で配信をしている DJ で面白いと思ったら地方だろうと積極的に声をかける青田買いみたいな流れがあってその流れに乗って東京で DJ として呼ばれる様になりました。
イオ: おお、凄い・・・!東京で初めてプレイした時はどこのクラブだったのでしょうか?あと、その時のかけていた音なども知りたいです。
Musi: Amate-Raxi ですね。当時はもうエディットなんかを作り始めていて自分エディットなんかを織り交ぜたハウスを主体にしていました。正直今と変わりません(笑)
イオ: 懐かしの渋谷のクラブですね、2nd のブースがやたら高い所にあったのを覚えてます。エディットも作り始めてらっしゃったんですね。
Musi: 2nd ブースでやらせてもらったんですがブースの高くてフロアを見下ろしながら東京のクラブはすごい!って一人で感動してたのを覚えてます。
イオ: 社会人になってからは DJ とトラックメイクを平行してイベントも行ったりしていた感じだったのでしょうか?かなり忙しい日々だったのでは?
Musi: そうですね、そこら辺は大学生時代から変わりなくという感じです。元々根っから音楽が好きな人間かつわがままな人種なので時間を確保しやすくて土日祝休めるといった条件に合う仕事選びをしています。曲作りや DJ の選曲などは学生時代にある程度の数をこなしていたおかげで作業を始めれば割と手早くこなせるし忙しくはありますが楽しんでやってます。
イオ: ちなみに今後、東京に引っ越して来られる予定などはありますでしょうか?
Musi: 仕事の兼ね合いで可能性がないわけではないのですが今は福岡へ動く可能性が一番高いです。
曲作り、シーケンサー、プラグインについて
イオ: シーケンサーはその時なんだったのでしょうか?
Musi: その頃からもうずっと「Ableton Live」を使っていますね。
イオ: おお、最初から Ableton Live ユーザーだったんですね。
Musi: 元々 DTM 始めた頃は「ACID」を使っていました。父親が買ったのですがよくわからん!と投げてきてそのまま勢いで使っていました(笑)
イオ: ええ!「ACID」、すごいわかりやすいのに・・・!当時としては革新的なシーケンサーですよね。ネタを切ると勝手に速度を合わせてくれて・・・。
Musi: 元々波形編集に強いソフトで音を切り貼りするのが好きなんだと思います。サンプリングミュージックも好きだったので余計にハマりましたね。
イオ: 確かに、サンプリングは楽しい手法ですよね。これとこれを合わせてみよう!など・・・!
Musi: その後に一回「Reason」を経由して面白いけどなんか違うなっていろいろ探してた時に Ableton Live に出会ってそれ以降はずっとって感じですね。
イオ: なるほど、自分もハードの機材をひとつも使えなくて、「Reason」は機材っぽい感じだったので、見事に挫折しました・・・。
Musi: 難しいですよね「Reason」。
イオ: そうですね(笑) 今は外部プラグインとして使えるらしいので、少し興味はありますが・・・。
Musi: 今ならわかりますが当時は音出すだけでも苦労しました。
イオ: 本当に・・・。先日、Ableton Live 11 にしたと Twitter でポストしていた記憶があるんですが、今現在、よく使うシンセやプラグインなどありますでしょうか?
Musi: 音源プラグインでいえば「Spectrasonics」の 3点(Omnisphere、Trilian、Keyscape)は絶対使います。使わないともう曲作れないってレベルで使っています。
イオ: 「Omnisphere」、自分は使ってないんですが、総合的なシンセ、というイメージがあります。
Musi: そうですね、本当に汎用性が高いです。Omnisphere は母艦的な使い方ができて「Omnisphere」で「Trilian」や「Keyscape」も管理できるんですよ。
イオ: そうなんですね・・・!「Trilian」も生っぽい音が出せて、ベースを出す時、昔よく使ってました(32bit で使っていたので、64bit になってから使えなくなった)。
Musi: それにハードウェアインテグレーションという機能で実機のシンセと同期して音作りもできます。なんか「Spectrasonics」の回し者みたいになってますが本当にひたすら使ってるので(笑)
イオ: (笑)先日作って頂いたリミックスも、ハードで BASS を作られたとの事で。
Musi: イオさんの Chaos Disco Track はサンプルの拾い方が面白かったのでそこはなるだけ使わせてもらいつつ自分の味をどんだけ出せるかみたいな攻め方をしましたね。ベースは MS-20 の実機を使用してサブベースを Trilian で足してバスコンプで纏めています。MS-20 のベースの荒さをデジタルで補強して密度を上げるっていうのはとても現代的で古さも新しさも両立できるのでとても気に入っています。
イオ: なるほど・・・。あの曲の為に DISCO のサンプルを拾いまくりました・・・。Musicarusさんのベースがすごくいい音で、素晴らしいグルーヴが出てるなと思いました。
Musi: DJ Tonka や Junior Jack みたいな少し古臭さがあるけど耳から離れないかっこよさみたいなものも出したかったのでそこは上手く出せたのでないかと思います。
イオ: はい。どちらの方も打ち込みでうまく自分の個性を出せてますね。
Musi: 基本的に自分が流行り廃りよりも自分が今好きな音をどう今の世代にリンクさせるかみたいな部分を詰めるのが好きなのでおっさん趣向ではありますが若い子にも刺さってくれたらなと思ってます(笑)
イオ: あの曲は世代関係なく刺さると思います・・・!
現在注目している DJ、トラックメイカー。
イオ: 今、注目している DJ、トラックメイカーの方などはいますでしょうか?
Musi: 最近一番やられた!となったのは Tom Iさん(That Fancy I)ですね、Spraybox という日本のレーベルよりリリースされた「Poppin」はあまりのかっこよさに本当に度肝抜かれました。あとジャンルを関係なしに言うなら NUU$HIさんは本当にすごいアーティストだなと尊敬しています。彼のアイデアと表現力にはジャンルを超えて圧倒される凄さがあると思います。
Spotify – Louis - song and lyrics by NUU$HI
イオ: 今聴かせて頂いてますが、サンプルのカットアップがタイトでいい曲ですね・・・!NUU$HIさん、初めて知りました!ベースミュージックを作られてる方なんですね・・・!
Musi: 今 UK Garage が本当に勢いがありますし、とても好きです。自分の好きなタイプのハウスとの相性もとてもいいので。
イオ: そうですね。UKG リバイバル凄いと思います。kyo氏、hara氏、Genic氏も blockfm で、UKG 専門の番組を始めましたね。
Musi: UKG も括りが大きいのでいろんなアプローチで攻めてくるし日本でもこれからもっと大きくなるだろうとは思っています。
イオ: そうですね、UKG もっと聴いてみよう・・・。
Musi: 個人的には UKG 経由でディスコハウスやジャッキンハウスに流れてくる人もいたら楽しいかなっていう淡い期待もあります(笑)
イオ: 是非来て欲しいですね!昔、ジャッキンハウスがマイナーだった時に、Twitterで検索かけて調べまくったら Musicarusさんが出て来て、確かそれでフォローしたような記憶があります。
Musi: 元々ジャッキンハウス大好きなんですよね、お陰様で今ジャッキンハウスのサンプルを使いながら 2step や UKG を作るのでいい塩梅に手癖になっています。
イオ: ファンキーな部分がやっぱりいいですよね、ジャッキン・・・。Beatport のジャンルにも上がる用になりましたし・・・。
Musi: ディスコハウスやジャッキンハウスはディスコ、オールドスクールリバイバルが増えてくるとその流れから増えやすいジャンルではあるのでまた増えてきていますね。
イオ: はい。bandcamp でも掘ると結構出て来るので、やっぱりディスコは強しですね。
これからの展望
イオ: そろそろ最後の方の質問に移りたいと思うのですが、これから、DJ、Trackmaker として何かこうしたい、というような展望はありますでしょうか?
Musi: 当面の目標は"ボーカルものをきっちり作れるようにする"ですね、まだあまりオリジナルでボーカルものを作れていないのでもっと自分らしさ出しつつオリジナルのボーカルものリリースできたらなと。
イオ: おお、是非作って下さい!楽しみに待ってます・・・!
Musi: もう一つは"アルバムを完成させる"です。少しずつ進めているので先の目標も併せて達成できればと考えています。
イオ: アルバム、楽しみにしています!作るのは長期戦になると思うので、応援しています!それでは本当に最後の質問なのですが、DJ、もしくはリスナーとして、今お薦めしたい曲を 3曲程度上げてもらえますでしょうか・・・?かなり難しい質問だとは思いますが・・・。
Musi: では DJ として一曲、リスナーとして 2曲って感じで挙げさせ貰おうと思います。
イオ: はい!
Musi: まず、DJ としてはこの曲です。「Dylan C. Greene, 3kelves / Birdesmaids」
イオ: カットアップも音作りもシンプルかつ飽きさせない感じでいいですね!
Musi: Disclosure の Never Enough のリミックスでハウスと UKG のいいとこ取りみたいなリミックスをリリースしてちょっと話題になった Dylan C. Greene の新曲です。ディスコハウス的な多幸感とさりげないシンセリフのかっこよさがお気に入りの 1曲です。
Musi: 次にリスナーとして 1曲目は「Kadeem Tyrell, Shae Universe, Geovarn - Let Me Know (The Cypher)」元々リスニングとしてダウンビートをよく聴くのですがその中でも今年はコレがピカイチ!ってくらい聴いてます。エレピの気持ち良さと激しくはないけどしっかり主張のあるベース、雰囲気を活かし切ったボーカルがバランス良くていつ聴いてもいいなってなります。
イオ: 落ち着いた雰囲気で、歌もいい感じですね・・・!最近の Soul、全然追えていなかったです・・・。古いのばっかで・・・。
Musi: 2曲目もソウル系ですが「Jimpster, Oliver Night - Ascension」
イオ: めっちゃお洒落というか、アーバンというか、いい雰囲気の曲ですね・・・!こういうのかけて車流したいな・・・。
Musi: ハウスからニュージャズやディープテックを掘れば必ず出てくる超大御所で Freerange Records の主宰でもある Jimpster が今年リリースしてきたアルバムからの一曲です。ハウスメインの人が作るダウンビートがとても好きで曲作りの観点からも空間を広く上手く使っていて勉強になります。ヘッドホンやイヤホンで聴くと音場の広さからくる没入感にやられるとても好きな曲です。
イオ: ヘッドフォン、夜、音を出しづらい時やパンの振り、広がり確認ぐらいの時しか使ってなかったので、ヘッドフォンで聴いてみます・・・!
Musi: 今は配信メインでイヤホン/ヘッドホンで聴く人が増えた影響か以前にも増してステレオをうまく使って表現する曲がどんどん増えてて聴く楽しさを追求してる感じがしてとても楽しいです。
イオ: なるほど、ありがとうございました!
最後に
如何だったであろうか。今まで知らなかった氏のバックボーン(ブラジルの音楽、父、そして姉からの影響)を始め、彼のシーケンサー、よく使うプラグインなども知る事ができ、とても有意義なひと時であった。そして、リスニングの幅の広さにも驚いた。
是非今後も活躍の幅を広げていって欲しい。
また氏には、2022年10月29に渋谷 喫茶SMiLEで行われる「LBT M3 前夜祭」、2022年10月30日に頒布予定の私の新譜、「Sampling Roads / DJイオ」にもリミックスが収録予定である。
アルバムは現在予約受付中だ。
「Sampling Roads / DJイオ」 | LBTオンラインショップ
是非楽しみにして欲しい。ビート・ゴーズ・オン。