ピコカルをご覧の皆様は御存知だろうが、「大衆酒場ベスト1000」を連載するパリッコが4thアルバム「ALCOHOLIC TUNES」を5/2に発売した。
私、DJイオとはLBTというレーベルを共に立ち上げたレーベルメイトでもある。
その彼に、9年ぶりのアルバムの内容についてインタビューを行った。
※尚このインタビューはSkypeビデオチャットで行ったため、多少画像が小さい事をご了承頂きたい
ファットボーイの1stアルバムを目指した
イオ:
9年ぶりのアルバム、発売おめでとうございます。
パリッコ:
ありがとうございます。くされDJ道に出るのが夢だったので(笑)。

イオ:
はぐれDJ道です。前回のシングル「銭湯フィーバー」が2009年なので、凄く久しぶりというわけでもないんですが、このタイミングでアルバムを出したいと思った理由は何かあったんですか?
パリッコ:
特にアマチュアのミュージシャンってそういうとこあると思うんですけど、自分の中でもうちょっといいものが作れるんじゃないかとか思って、それでだらだらしちゃってなかなか作品を形にできなかったりするんですよ。なんか最近もうそういうこだわりが無くなって来て、今出せる物を出せる力で形にする方が重要かなって思って。
イオ:
3rdと聴き比べて大きな変化を感じて、ほぼ四つ打ちってのと、一般的に言うフロアユース、DJ向けの曲が多いなと感じて。
以前のシングルだと、COCKTAIL PARTYなどCMネタのドラムンなど作ってたじゃないですか。
パリッコ:
あ、言われるとそうですね。作り忘れてただけかもしれないです。でも今回はコンセプトありきでまとめたんですよ。ファットボーイ・スリムいるじゃないですか。ファットボーイの1stアルバムの「ベター・リヴィング・スルー・ケミストリー」。ああいうのを一回作りたかったんですよね、実は。誰にも言ってなかったんだけど。あれ潔くて最高じゃないですか。もう全部ファンキーみたいな。ジャンルは一緒じゃないけど、ああいうのが作りたかったなという。
イオ:
パリッコさんは結構ビッグ・ビート的なのは好きだと思うんですが、直接的には作ろうとは思わなかったんですか?
パリッコ:
なぜだかわかんないけど、いつのまにかフィルターハウスっぽいのにこうなっちゃいました。
イオ:
俺の中だと正直言ってパリッコさん、フィルターハウスを聴くイメージはあまりなかったんですが。
パリッコ:
別に普段何も聴いてないっすからね(笑)。

イオ:
(笑)。音作りをするにあたって、これを目指すぜ!みたいなアーティストは特にはいなかった感じですか?
パリッコ:
特にはなくて、好きなように作りました。
イオ:
アルバム通して、曲のBPMは135前後に統一されてますが、狙って135前後を作ったってわけではないんですか?
パリッコ:
とにかく、135が一番好きなBPMなんで、一番フィットするんです。そういうのがずっとLBT的なカラーとしてもメインみたいな感じだったから、一度まとめとくかみたいな感じですね。
イオ:
今回のアルバム、リミックスが1曲も入ってないなって思ったんですよ。例えば僕だったら、有名所や好きな人にリミックスをお願いしちゃう方法をアルバムだととっちゃうかもしれないと思うんです。
パリッコ:
そういう意味では、頑固っぽい所があったのかもしれないですね。こだわりみたいのはそんなになかったつもりだけど、自分の曲で最初から最後まで聴いて完結するってのがアルバムって感じするじゃないですか。アルバムの後にボーナストラックが入ってると、それも流れで聴くじゃないですか。それも自分ではちょっと嫌だったみたいな所もあるのかもしれない。「芽が出ない節 REMIXES」を作るのも予定してたわけじゃないんだけど。

ナードコアからのシフト
イオ:
音楽面からすると、いわゆる、ナードコアというか、「ネタ物!色物!」みたいなのが減ったじゃないですか、凄く。
パリッコ:
でも、イオさんがさっきから比較してるのが9年前のアルバムなんで、変わって当たり前という感じもするんですけど(笑)、昔ナードコアやってた人で今もそのままって人あんまりいないし、若いのが一人頑張ってるのがいるみたいな。
イオ:
若いのが一人(笑)
パリッコ:
だから、皆それぞれまた違う事やってたりするじゃないですか。それと一緒なんじゃないですかね。でも今回のアルバム、あんまり言っちゃまずいだろうけど、JPOPのネタの曲、すげぇ多いっすよ。
イオ:
言われると確かに。
パリッコ:
「TOKYO LOVE MESSAGE」は殆どT○Fのネタ使ってるし、「TOMATINA」は、イオさんに「いいネタないかな?」って聞いてバ○ルガム・ブラザーズから切り出したループもらって、それ使ってるんで。まぁ最初はバ○ルガムブラザーズのネタって知らなかったけど。「銭湯フィーバー」も、バックは内田○紀ですしね。
イオ:
昔と比べると、表面的にはネタがでなくなってトラックの一部に馴染んでる感じですね。あ、一曲目の「CRAZY PENIS CAT」は、サザ○さんか。
パリッコ:
だからこれもおもいっきりネタものなんですね。
イオ:
「BITCH ON THE BEACH」、と「2010」は完全なオリジナルですね。
パリッコ:
そうっすね。ちょっとサンプルは入ってるけど、フリー素材とかだったと思います。
イオ:
今回アルバム作った時にはずした曲が相当あったじゃないですか。「MAD BEATZ CONNECTION Vol.1」 (ナードコアをテーマにしたコンピレーション)に入れた「NEW YORK」(キム○クの声をサンプリングしたダブハウス)とか。
パリッコ:
ああいう、何を狙ってるんだ?みたいな曲、多くないですか?僕。
イオ:
あれはナードコアがテーマだったけど、もうわけわかんないレベルで、パリッコさんは何を考えてこれを作ったんだろうと思いましたね。

パリッコ:
僕、キ○タクが好きで、なんで好きかって言うと、トークがまだるっこしいところがヤキモキするっていうか、そこが好きで、口を不必要にモゴモゴさせながら、話がなかなか核心に辿り着かないというか、その部分を伝えたくて、ダブっぽさで表現しました。
MiMi Recordings
イオ:
「TOMATINA」と「ENCIERRO」は、Chester Beattyさんの立ち上げたアナログレーベル、「MiMi Recordings」のアナログカットした曲を、アルバム用に再度editした曲なんですね。
パリッコ:
未だに信じられないぐらいなんですけどね。以前、ライブでChester Beattyさんと名古屋で競演して、曲も聴いてもらえて、後から直接オファーを頂いて。Chester Beattyさんがレコードを出すレーベルを作るというので。で、そのmimiというレーベルの、第一弾、第二弾に収録されて、ジャケットのデザインまでさせて頂いて。
イオ:
夢見るDJピンキーミミですね。この時勢にアナログってのが凄い。男気があるというか…。

夢見るDJピンキーミミ

夢見るDJピンキーミミ
MiMi Recordings's sounds on SoundCloud - Create, record and share your sounds for free
「TOMATINA(Album Edit)」
「ENCIERRO(Album Edit)」
「東京」へのこだわり
イオ:
パリッコさんのリリースを調べた時に、「TOKYO」が入る率が凄く多いなと思って。東京生まれ東京育ち独特のこだわりを何か感じたんですが、今回も入ってるじゃないですか。今までのリリースを調べたけど、4曲も「東京」が入ってます。
・スピリチュアルトランスフォーメーション:back to Tokyo
・LBTの非売品コンピCD:Tokyo Night Drive(ATAMI MIX)
・パリッココレクション:Tokyo Lovers Night Cruise
・3rdアルバム「東京アーバンミッドナイト」:東京アーバンミッドナイト

パリッコ:
練馬なんでそんなにこだわりはないです。ただ東京ってつくと格好いいじゃないですか。東京スカパラダイスオーケストラとか。東京ボーイズとか。「東京アーバンミッドナイト」っていう曲を作った時は、わざと意識して入れてたんですけど、今回の「TOKYO LOVE MESSAGE」については意識してなくて。「東京テレメッセージ」っていう会社があったじゃないですか、ポケベルの。高校の時ポケベル使ってて、僕のやつはテレメじゃなくてセンティーDだったんですけど、確かカタカナ12文字まで打てたんですよ。それで友達に送ってたんですよ。
イオ:
僕は持ってなかったけど丁度世代でしたよね。「オマエシネ」、とか「スキダヨ」とか送ったんですか?
パリッコ:
それは送らないけど(笑)、とにかく、「テルセヨ コバヤシ」って送るんですよ。
イオ:
電報っぽいですね。
パリッコ:
はい。「テルセヨ」って普通あんま使わないじゃないですか。おもろいっすよね。東京テレメッセージが懐かしいねってツイッターで盛り上がった時があって、「東京テレメッセージ」って名前が曲タイトルっぽいなって思って、そこからインスピレーションを受けて、そういうタイトルにしました。
「TOKYO LOVE MESSAGE」
パリッコと酒
イオ:
今回のアルバムで全面的に酒がプッシュされてるのが大きいと思うんですよ。今までは全面的ではなかったと思うんです。3rdの東京アーバンの時にはLBT始めてたから、カンパイラガーとかそういうのはありましたけど。
パリッコ:
昔も好きだったけど、異常に好きになっちゃいましたね、酒は。量は減ってるんですよ。今だってゆっくり飲んでるし。前は酔えれば楽しいっていう感じだったんですけど、最近酒場の雰囲気がおもしろいってのがあって、シチュエーションを楽しみながら飲むみたいな。

イオ:
LBTでビールってつけてからどんどん酒に偏ってきちゃった気がしますね。(元々はLOVE BEER TRAXというレーベル名だった)
パリッコ:
ただあまり酒好きとか言いまくってると、そうじゃない人から嫌われちゃわないかな?という恐怖は、常にありますね。
イオ:
酒を軸にして生きてくってのは…うーん、いいっちゃいんですけどね。
パリッコ:
いいっちゃいんですけどね。逆に自分が好きな人達、例えばチミドロも酒の曲たくさんあるし。吉田類とかなぎら健壱とかあからさまに酒好きそうじゃないですか。なんか最近自分、鏡見るたびにどんどんなぎら健壱に見た目が近付いてるような気がして。まぁそれは関係ないですけど。そういう人にリスペクトがいっちゃうって事は…もう自分に正直に生きるしかないかなと。
イオ:
スタンド使いじゃないけど、酒飲み同士はひかれあう的な。
パリッコ:
こないだ仕事上で知り合った人で、最初は凄くよそよそしいんですよ。「よろしくお願いします。」みたいな。それでちょっとだけ酒が好きっぽいぞ、この人みたいな感じになった時に、「お酒好きなんですか?」って言ったら、すっげぇ顔を崩して、「好きなんですよ」って。これ、人生で好きな瞬間のベスト10には入りますね。
イオ:
こいつとちょっと飲みに行きたいな、とか思いますもんね。人と知りあっても少し話が途切れると、「酒飲みます?」って聞いたりしますよね。
パリッコ:
そうそう。「飲めないんですよ」でも全然よくて、ただその話は広がらないってだけなんですけど、「好きなんですよ」って言われると、自分も好きだから単純に嬉しいみたいな。
イオ:
共感できる何かを持ってるぞ。みたいな。
パリッコ:
「何好きですか?」とか「どのへんで飲んでます?」とか無限に話が広がりますね。
芽が出ない節
イオ:
「芽が出ない節」、今までになく反響がありましたね。
パリッコ:
ありがたいっす、反応してくれる人がいて。ついに共感ソングを作っちゃいましたよ。今まで誰にも共感された事なかったのに。

イオ:
そんな事ないでしょう(笑)。そういう立場で歌う事というか、ポジションソングを避けて歌ってきたからじゃないですか?
パリッコ:
避けてもないけど、何の思想も持った事ないんで。要するに西野カナとかそういう部類に入っちゃってきたって事ですかね。
イオ:
西野カナと「芽が出ない節」は何かが全然違うと思うんですけど。「芽が出ない節」はどちらかというと演歌では?
パリッコ:
演歌って、でも共感するんすかね?「港でずっと待ってます」みたいなの。
イオ:
さすがにいないっすよね。うちらの世代になると。
パリッコ:
そうすると、やっぱり西野カナ方面なんじゃないですか。恋がしたい、彼氏とうまくいってない、喧嘩しちゃうとか、いっぱいそういう人いるじゃないですか。そういう感じで、「いい歳になってきたけどパッとしねぇなあ」って人がいっぱいいると思うんで、そういう事なんじゃないっすかね。
イオ:
ラップは自分の思い出と経験を糧にして作ったんですよね。
パリッコ:
基本はそうですけど、けっこう自分だけじゃなくて脚色も入ってるていうか、身の周りの人の事も含めて歌ってるってみたいな感じがあるかも。酔って狛犬を撫で回したのはイオさんだし。
イオ:
でも、神社で寝たことはないっす。
パリッコ:
神社では俺もないですね、公園とか駅ではあるけど。
イオ:
浮浪者がダンボールかけてくれたりしましたね。
パリッコ:
狛犬の話やその他の細かい所は色んな人の話から膨らませた感じですね。携帯とかデジカメに関しても、基本なくなるものじゃないですか。どっかいっちゃう機能がついてるじゃないですか(笑)。
イオ:
お酒飲まない人のやつには付いてない機能ですけどね。
パリッコ:
あと誤解して欲しくないのがビッグマンっていうお酒を買って飲んでる、って歌詞があるんですけど、進んで買ったことは無くて、安焼酎だったらスギ薬局で売ってる…
イオ:
スギ薬局どこ!?(笑)
パリッコ:
家の近所にあるんすけど、そこに売ってる「麦焼酎」ってのを買ってきてそれを飲んでるんですよ。ビックマンはディープすぎて。前友達が家に来た時に買ってきた事があるんですけど、まじビッグすぎて全然飲みきれなかったんですよ。
イオ:
じゃあ捨てちゃったんですか?
パリッコ:
少しずつ鍋にいれてたり、たまに「麦焼酎」が切れた時に飲んだり…なんだかんだで歌詞の通りですかね…。でもビッグマン、毎月買ってることはないよ!っていう。
イオ:
ビッグマンや大五郎は禁断の領域ですね。本当に。
パリッコ:
イオさんちに遊びに行った時にコンビニで見た、源ちゃん?みたいなのもやばかったです。
イオ:
ああいうのがコンビニで売ってるのが日本の良くないとこですよね。依存症推進酒っていうか。
パリッコ:
良くないとこでもあり、良いところでもありますね。曲のラップの部分は後で考えたんですけど、西武線にむっつり乗り込み…なんかのどうこうは自分の普段の生活ですし。でもサビは寝る前にフッと思いついて、その歌詞をイオさんにすぐメールしたじゃないですか。覚えてないですか?
イオ:
うーん…。
パリッコ:
夜中ぐらいに送ったら、そしたらそんときイオさん、女の子や友達とわいわい飲んでたみたいで、「折角楽しい気分なのにどうしてくれるんだ!」とか言って怒ってました。
イオ:
あ、思い出してきた!でも、メロディがなくて、歌詞だけ見ると本当に切なくなると思うんです。これは。
-「芽が出ない節」歌詞-
芽が出ない 芽が出ない 30過ぎても芽が出ない
芽が出ない 芽が出ない 何をやっても芽が出ない
芽が出ない 芽が出ない こんなにいいのに芽が出ない
芽が出ない 芽が出ない やる気はあるのに芽が出ない
芽が出ない 芽が出ない 今日も明日も芽が出ない
芽が出ない 芽が出ない 良くも悪くも芽が出ない
芽が出ない 芽が出ない 裏切らないのはお酒だけ
芽が出ない 芽が出ない ただただ努力が足りてない

パリッコ:
言われると、確かにそんな気分になるような気がしてきた!思い浮かんだ時にすでに俺の中ではメロディがあって、しかもアレンジは今とはちょっと違って、もう完全に音頭だったんです。みんなで手拍子するような陽気なイメージで。で、喜んでくれるかなって思ったら、なんか怒ってたから、あれ?とか思って。
イオ:
いや、その時はタイミングが悪かったんです!「芽が出ない節」ってベースやメロディはのんきな感じというか、暗くないじゃないですか。それがわからなかったんで。でもいまだかつてない反響を受けてますね。
パリッコ:
例えば前に自分で作った曲で、「SNOW WORLD」ってのがあって、「雪国もやし」のCMソングに勝手にAメロやBメロをつけたのがあるんですが全然受けなくて、わかりづらいのかなって。そういう意味でこれは凄いわかりやすいからいいのかなーと思いましたけどね。
イオ:
銭湯フィーバーもサビがポップでいい曲だと思うんですよ。でも共感まではいかないというか。
パリッコ:
共感する部分はないっすね。みんなシャンプーとリンスはしてるだろうけど、「わかるわかる!」とはならないですよね。当たり前すぎて。
「芽が出ない節」
アルバムの思い出

パリッコ:
無ですね。アルバムの方はもう作り終わった曲を入れたよってだけなんで。あ、でも、「芽が出ない節 REMIXES」というのが出来たじゃないですか。これがもう、すごい感動しちゃって。しかも殆どはこっちから頼んだわけじゃないんですよ。
イオ:
まだ僕は最終バージョンが聴けてないんですけど、ホンダレディとか凄い人も作ってくれましたね。
パリッコ:
ホンダの最終バージョンは、切なさを引き立ててくれて、かつハードボイルド。客観的に見ると男の背中って感じですね。
イオ:
「夢見がちなダーディサーティ」っていう、ホンダレディが打ち出してる世界感に「芽が出ない節」は近いのかもしれないですね。
パリッコ:
(ホンダの)マルさんが気に入ったって言ってくれて、「チョコレートでコーティングされた“さきいか”」って言ってくれて。本当に嬉しいです。
イオ:
ホンダのニューアルバムにも、「やるせな節」というのが収録されますね。
パリッコ:
「やるせな節」タイトル超ヤバイですね。ほぼ同時期に日本のクラブミュージック界に節系が二曲リリースされるわけですね。
イオ:
30過ぎると、「節」ですね。
パリッコ:
そうかもしんない!「節」は30過ぎてからみたいな。30でも早いかもしれないかもしれないですね。60とか。
イオ:
60…
パリッコ:
今まで、自分のリミックスを作ってもらった事があまりなくて、イオさんに「就職希望ディスコ」のリミックスを作ってもらった事はあるけど、あれって言ってみればモーニ○グ娘のリミックスなわけじゃないですか。自分が作った歌をリミックスしてもらった事は殆どなかったので、一曲一曲全部に、こんなに感動するんだなってびっくりしちゃって、凄くよかったです。有り難いです。
イオ:
では今後は節を中心に…!とか?
パリッコ:
でも「芽が出ない節」は偶然っぽい感じもするから、似たような共感節みたいのつくってもしょうがないじゃないですか。
イオ:
「共感節」って名前がいいですね。最近のSNSは「いいね!」みたいな共感がキーワードになってるから結構いいんじゃないですか。適当に言ったけど。
パリッコ:
そう言われるといいのかなぁ。でも「芽が出ない節」にただ共感を感じてくれたって人がいたってだけで、共感を得たいわけじゃないんですよ、別に。そんなに作んないかもしんないですね。今後もやっぱり、何のメッセージもなくて、聴いたら楽しー!みたいなのを多く作りたいですかね。
今後の作品について
パリッコ:
今、こういうバカみたいに派手な曲、やってる人あまりいなかったりするじゃないですか。で今回のアルバムはそれで一回まとめとけ、みたいな感じだったんです。でもやりたい事はたくさんあるので。次に作る具体的な計画はないですけど、むっちゃくちゃ、ぐちゃぐちゃなやつは作ってみたいですね。全部曲もつながってるし、何がなんだかわかんねーみたいなのを作りたいっすね。1枚じゃない、CDでもないかもしれないけど、変な曲いっぱい作って、今回がわかりやすい盤だったら、わかりにくい盤みたいなのを作ってみたいですね。

発売中!「ALCOHOLIC TUNES」
ナタリーにも掲載され、一般の認知度もどんどん高まっているパリッコ。レーベルメイトとして、クラブDJストームの原作と作画という立場として、そして友人として、彼が今後どのような成長を遂げていくか楽しみだ。LBTのサイトで購入すると、「芽が出ない節 REMIXES」もついてくるので皆様も手にとって彼の音楽を聴いてみて頂きたい。ビート・ゴーズ・オン。